2017年10月5日

バルセロナがリーグ脱退か?カタルーニャ独立で揺れるスペインと無観客試合「異様な試合風景を世界の人々が目にした」

カタルーニャ独立投票に揺れるスペイン。そのカタルーニャ州に本拠を置く世界的に有名なサッカークラブ「FCバルセロナ」がサッカースペインリーグ脱退の可能性を示唆しました。

FCバルセロナの会長であるバルメトウ会長は「カタルーニャ自治州が独立した場合、どのリーグでプレーするか決断しなければならない。」とスペインリーグを離れる可能性があることをコメントしており、欧州の各メディアの注目を集めています。

先週時点では、カタルーニャ州のスポーツ大臣が、他リーグへの参入について語るなど、「スペインとの決別」が浮上していたスペインサッカーの至宝・FCバルセロナ

世界的な人気を誇るサッカークラブで、スペイン国籍を中心に、国内外から多くの有名選手を擁しているバルセロナ

ホームタウンであるカタルーニャ独立の動きに、大きな波紋を投じる「決断」が成されるかもしれません。

2017年10月28日・最新記事

過去記事

バルセロナがリーグ脱退?…カタルーニャ独立投票の弾圧に対する抗議

FCバルセロナが本拠を置くバルセロナは、独立問題で揺れるスペイン・カタルーニャ州の州都。

カタルーニャ独立の是非を問う住民投票が行われた10月1日、これを阻止するためにスペイン政府が送り込んだ警官隊と住民の衝突事件が発生。

スペイン警察側によるカタルーニャ住民への暴力行為によって、800人以上もの負傷者を出す大混乱を受けて、FCバルセロナからは、「カタルーニャ独立投票の弾圧に対する抗議」として同日の試合延期が申し入れられていました。

FCバルセロナによる政治的な抗議の動きは、スペインリーグ側によって拒否。

試合を行わなければ、不戦敗および試合中止を決定したことに関して勝ち点3ずつ、合計勝ち点6を剥奪する。」との通達から、バルセロナは「無観客試合としての開催」という前代未聞のパフォーマンスを実行しました。

スペイン全土を揺るがす熱気に包まれるスタジアム・カンプ・ノウは、誰一人として観客がいない、という「無観客試合」として映像配信され、リオネル・メッシをはじめとする世界に名だたるスター選手たちが、無人のカンプ・ノウでプレーする姿が全178ヵ国で視聴されました。

スペイン・カタルーニャ州、そして、州都バルセロナで起きていることを、全世界に伝える。

こうしたFCバルセロナの「決断」は、大きな反響を呼び、スペイン国内だけではなく、ヨーロッパを中心とした世界中のメディアの注目を集めます。

これまでに、バルサ、エスパニョール、ジローナといった3つのスペインサッカークラブが、3日にカタルーニャ州で行われるストライキに参加することを表明

特に、カタルーニャ州に本拠を持つバルセロナでは、クラブの全業務を停止して、トップチーム・ユースチームいずれの練習も行わず、スタジアムツアーやミュージアムの閉鎖も実施するとされています。

サッカークラブとしてのバルセロナ、古から続く民族カタルーニャ

「カタルーニャの人々に寄り添い、世界に向けて憤りを示す必要があった。」

「試合は行うが、”無観客にする”と、最終的に私が決めた。」

(引用・出典:サンスポ Web版コラム FCバルセロナ バルメトウ会長のコメントより – https://goo.gl/eFSF5U)

2日に発表されたFCバルセロナ・バルメトウ会長の声明によると、「カタルーニャの人々に寄り添い、世界に向けて憤りを示す必要があった。」「試合は行うが、”無観客にする”と、最終的に私が決めた。」とコメントされており、バルセロナが、本拠地であるカタルーニャで行われた独立運動を受けて、世界中にその怒りを示すために「無観客試合」に踏み切ったことが明らかにされています。

何世紀もの昔、地中海一帯の覇権を握ったアラゴン・カタルーニャ王国の時代から、カタルーニャ州に住み、カタルーニャ語を話す、カタルーニャ民族の人々は、自分たちが、カスティーリャ王国にルーツを持つ「スペイン人」とは異なることを自認していました。

1714年に起きた、スペイン継承戦争における最後の戦い「バルセロナ包囲戦」によって、カスティーリャ王国を中心とした連合軍に敗れて以来、スペイン王家となった時のフェリペ5世に王冠を明け渡したものの、カスティーリャ由来の「スペイン文化」とは異なる独自の言語と文化を形成していたカタルーニャ

その後、スペイン中央政府によって民族言語である「カタルーニャ語」の排除や、現・スペイン首相でもあるラホイ首相の「自治州はネーションあるいは国家となったこともないし、なることもできない。」という発言にも耐え抜いてきた「古の王国」は、多元的国家ともいわれるスペイン国内において、常に自分たちの言語と文化を認めてほしい、という声を挙げ続けてきました。

「その後、フランシスコ・フランコの独裁政権下では、カタルーニャ語が禁止された。」

「カタルーニャ語で旗を意味する「サニェーラ」も禁止された。」

「カタルーニャ人が唯一、逮捕される恐れなしに自身の感情を表現できたのは、カンプ・ノウでバルサの試合を観戦する時だけだったのである。」

(引用・出典:サッカー専門メディア「GOAL」 Ben Hayward 記事中の記述より – https://goo.gl/BoJA5N )

カスティーリャ王国の末裔たちによって抑圧されてきたカタルーニャの人々

この「カタルーニャ人が、ただ一つ、自分たちの感情を表現できたのが、カンプ・ノウでバルサの試合を観戦する時だけだった。」という言葉は、世界的なスポーツクラブである「バルセロナ」と、政治的・民族的な意味での「カタルーニャ」の強い結びつきを現した言葉であるように思います。

バルサのリーグ脱退でスペインサッカーはどうなる?

スペインサッカーの1部リーグである「リーガ・エスパニョーラ」に所属する20のクラブのうち、カタルーニャに本拠地を置くのが、FCバルセロナRCDエスパニョールジローナFCの3クラブ。

すでにバルサ、エスパニョール、ジローナは、カタルーニャで行われるストライキへの参加を表明しており、そのうち世界的にも知名度の高い「名門」となるクラブ、FCバルセロナは、今回のカタルーニャ独立後のリーグ脱退が注目されています。

もし、カタルーニャの独立が実現したのであれば、リーガエスパニョーラ側では、該当地区の3クラブを「海外のクラブ」と定めてリーグを除名する見通しだと言われています。

バルセロナ側でも、カタルーニャ独立投票でのスペイン警察の暴力行為に対し、抗議としての試合延期をめぐってスペインリーグ側との意見の相違があったことから、リーグ脱退も辞さない覚悟でカタルーニャ独立運動の背中を押すスタンスを見せていることは明らかです。

公式の声明からは、「カタルーニャ自治州が独立した場合、どのリーグでプレーするか決断しなければならない。」と明確な「脱退」が表明されたわけではありませんが、バルセロナの「無観客試合」によって全世界178ヵ国に配信された「カタルーニャ・バルセロナ決起戦」は、近代における「スペイン継承戦争 最後の闘い」として知れ渡ることとなりました。

FCバルセロナは、2016-17シーズンの年間収益が7億800万ユーロ(およそ915億円)と公式発表されている、押しも押されぬ「超・ビッグクラブ」。

世界トップクラスの有名選手の補強を続けるあまり、一時は倒産の危機にあるとの噂もささやかれていましたが、負債総額は1シーズンで回収可能な2450万ユーロ(およそ31億円)にまで減少しており、世界中のどのリーグであっても、手放しに歓迎したい「優良サッカークラブ」でもあります。

一部では、フランスのサッカー一部リーグ「リーグ・アン」が、バルセロナの参入可能性に着目しているとも報じられており、今後、リーグ脱退後のバルセロナがどこのリーグに参加するか?とった憶測が飛び交うことになります。

現在、例に挙がっているフランス「リーグ・アン」の場合、バルセロナはフランス国境に接していることもあってか地理的な不自然さも無く、同じく似たような地理関係に位置する「モナコ公国」に本拠を置くASモナコも、このフランス「リーグ・アン」所属のサッカークラブとして活躍しています。

また、フランス「リーグ・アン」をけん引しているパリ・サンジェルマンFCとは、ロナウジーニョ、ネイマール、イブラヒモビッチ、ダニエル・アウヴェスといった、(良くも悪くも)バルセロナとパリ・サンジェルマンに共通点を持つ選手も多く、移籍市場におけるフロント活動としても良好な関係にあるとも見ることができます。

近年では、国内の名門でもあるパリ・サンジェルマンFCの活躍によって、世界的なレベルや注目度も高まっているフランスリーグ。

FCバルセロナでは、カタルーニャ独立の住民投票を阻止しようとしたスペイン中央政府の暴力行為に対して、批判的な立場と「カタルーニャに寄り添う」といったスタンスを明らかにしており、3日から行われているカタルーニャ全土のストライキに参加、一時的にクラブを閉鎖して、練習、店舗の営業を取りやめています。

スペインリーグの至宝・バルセロナは、スペインとの「決別」によって、リーグ脱退後にどう動くのか?

カタルーニャ独立運動の今後に世界中の注目が集まっています。

バルセロナDF ジェラール・ピケが語るカタルーニャの独立

1936年のスペイン領モロッコで起こった「スペイン内戦」をきっかけに、反乱軍の指導者としてスペインを再統一して台頭した軍人、フランシスコ・フランコの独裁政権下では、「カタルーニャ」が禁止されました。

フランコ時代、僕らは、自分たちの意志を守ることができなかった。

バルセロナに所属するディフェンダーであり、「カタルーニャ人」でもあるジェラール・ピケは、試合の後、涙ながらにこう語ったと報じられています。

「これ以上、プレーするのが難しい試合はなかった。」

「僕はカタルーニャ人だし、そう感じているし、今日はなおさらだ。」

「カタルーニャの人々と、その行動を誇らしく感じている」

「クラブのフロントは、試合を中止しようとしたが、それはできなかった。僕らは話し合い、クラブと共にプレーすることを決めた。」

「カタルーニャに、僕らがどうして今日、プレーしたのかを理解できない人たちがいるのは、わかる。」

「僕らの誰もが、一刻も早く試合が終わって欲しいと望んでいた。」

「スペインでは長い間、フランコ政権により、投票ができなかった。」

「サッカー協会が本当に僕が問題だと考えるなら、スペイン代表を離脱することもできる。」

「(カタルーニャの人々は)暴力をふるっていない。」

「なのに、警察とグアルディア・シビル(治安警備隊)がやってきて、あんなことになった。」

「彼ら(スペインの国民党政権)は、スペインの人々に、カタルーニャ人は悪者だと思わせようとしてきた。」

「でも、そんなのは嘘だ。」

「僕らはただ、投票がしたかっただけだ。」

「カタルーニャ人は投票したんだ。」

(引用・出典:サッカー専門メディア「GOAL」Ben Hayward記事、バルセロナ公式ニュースリリースより抜粋 – https://goo.gl/BoJA5N 、https://goo.gl/ijny71 )

カタルーニャで行われた独立をめぐる住民投票は、カタルーニャ政府により「独立賛成が90%を超えた」と発表されました。

2010年頃から表面化し、長らく抑圧され続けてきた「カタルーニャ」という古の民族が、再び独立に向けて、手続きが続けられようとしています。

古くから、カタルーニャの人々に「自分たちのナショナルチームである。」と自負されてきたバルサも、カタルーニャの人々の独立の動きから目を背けることができるはずもありません。

1714年、スペイン継承戦争の最後の闘いで包囲されたバルセロナが、時代を経て、再びカスティーリャ王国からの独立の声を挙げています。

ホームスタジアムであるカンプ・ノウにおいて、キックオフ17分後に歌われるという「インデペンデンシア(独立)」のチャントは、「カタルーニャ人の独立」として、世界に届く日がやってくるでしょうか?

Twitterの反応

海外の反応

THE MOST TOXIC PLAYER EVER「サッカーの試合はこんな誰も観客がいないところで行うものじゃない。まるで練習風景のようだ。」

Алексей Мальгинов「カタルーニャに自由を!EUは独裁政治のファシストこそを弾圧するべきだ!」

Kaitane「結局のところ、サッカーと政治を混同するべきではないと思うんだ。」

Bird Man「これこそがスペインという国であり、これこそがカタルーニャが独立する理由だ!」

Subliminal FR「フランスが力になるよ!」

Ron Gamer111「カタルーニャに自由を!」

O Ancião「あばよ、スペイン。」

dajokn19「カタルーニャの人々に祝福を!スペインは二度と同じ過ちを犯してはいけない。」

heltonrolobcv YT「バルサのホームスタジアム、カンプ・ノウは、世界中のファンたちを抱えている。僕もカタルーニャの友人の1人だ。」

(引用・出典:Youtubeコメント欄より翻訳 – https://www.youtube.com/)

関連記事

 人気の記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。