2017年9月14日

ポテトサラダO157感染の原因…なぜ加熱後に食中毒が発生したか?「加熱後の二次感染の可能性」

9月14日、群馬県前橋市にある総菜店「でりしゃす」にて販売されていた総菜を食べた3歳の女の子がO157による食中毒感染から死亡してしまった問題で、その感染ルートに「加熱調理後に二次感染が発生している」可能性が浮上しました。

前橋市によるO157の感染源の調査のなかで、これまで感染源と言われていたポテトサラダではなく、惣菜のとりわけ時点において、二次感染している可能性について示唆されています。

当初は、ポテトサラダによる食中毒O157感染か、とも言われていた今回の事件。

なぜ食中毒157は発生してしまったのか?その原因と感染ルートについて読み解いていきます。

なぜO157感染が発生したのか?その原因と感染ルート

惣菜店のポテトサラダ食中毒と言われた今回の経緯

群馬県前橋市に複数の店舗を展開する惣菜店「でりしゃす」では、各種惣菜をふたをしない状態で大皿に盛り付けて販売していました。

入店した顧客がこれらの大皿からトングを取り分ける形式で、トングは別の惣菜に使いまわせる状態であったと言われています。

8月11日に「でりしゃす」六供店(前橋市)で調理、販売されていた「タケノコやエビの炒め物」を購入し、同日の正午頃に家族ら11人で惣菜を食べていた東京都内に住む3歳女子児が、異変を訴え、9月上旬に死亡。

同じく8月中には、群馬県と埼玉県にある「でりしゃす」4店舗にて加工・販売されていた「ポテトサラダ」や「コールスローサラダ」などを食べた23人が腹痛を訴えており、このうちの20人からO157が検出される食中毒事件として報じられていました。

ポテトサラダは感染の直接原因ではない?

これまでに、埼玉・群馬県内に点在する惣菜店「でりしゃす」4店舗で、20人以上の人々から0157が検出されており、一連の問題のなかで、O157が検出されて感染者として認められた人たちは、遺伝子の型が一致したと報じられています。

事件当初はポテトサラダによる食中毒O157感染と報じられていた今回の事件でしたが、前橋市保健所の調査が進むにつれて、その原因と感染ルートに別の可能性が浮上してきました。

前橋市保健所の公式見解

死亡例が報告された女児が食べたとされる「タケノコやエビの炒め物」。

前橋市の調査では、中華料理の「エビチリ」ではないかとされており、「炒め物が原因であるかは不明」としている一方で、75度以上の加熱によって死滅する大腸菌O157が、加熱調理された炒め物から発生していることに着目し、「店内での販売中に感染原因と接触するような状態があったのではないか」という可能性について示唆しています。

店内での販売中に、何らかの理由で感染原因となる菌が付着してしまい、いわゆる「二次汚染」が拡がっていった可能性について指摘された今回の事件。

9月7日に全店舗で営業再開した「でりしゃす」でしたが、「でりしゃす」六供店では、9月上旬の女児死亡の一報を受け、13日からの自主休業を決定しています。

惣菜を顧客側で取り分けるためのトングが原因か?

これまでの感染者が共通して食べている食品として挙がっているのが、「タケノコの炒め物」「エビの炒め物(エビチリと思わしいとの発表)」「きんぴら」といった「加熱食品」。

通常の場合、「75度以上の加熱によって死滅する」とされている大腸菌O157でしたが、今回の感染原因として疑われている「炒め物」からの発生に疑問が持たれていました。

事件発覚直後には、ポテトサラダやコールスローサラダを食べた23人から腹痛の訴えがあったこともあり、「ポテトサラダ」が感染の原因なのではないか、と言われていた同問題。

前橋市保健所による調査では「惣菜の取り分け用トングなど、店内での販売時点に、何らかの原因があったのではないか」という公式見解を発表しています。

惣菜販売という業態から、大皿に盛り付けて、客側がとりわける、といったアットホームに素朴な味を楽しむことの出来る惣菜店でしたが、今回の場合、調理後の販売状態や、食材管理に課題があったことは否めず、今後の対応が注目されます。

大腸菌O157の脅威

「病原性大腸菌(びょうげんせいだいちょうきん)」とも呼ばれるO157は、O111と共に「100人規模を超える食中毒感染を引き起こす可能性のある危険なもの」とされており、その名の通り「大腸菌」の1種です。

通常は病原性の疾患を引き起こすようなものではなく、そのほとんどが無害とされる「大腸菌」ですが、病原となる要素を持つ遺伝子を獲得して変異した場合に、「病原性大腸菌」となります。

病気を引き起こす因子を得た「病原性大腸菌」は、下痢などを中心とした様々な症状を引き起こし、なかには、「脳症」と呼ばれる、けいれんや意識障害を含む重篤な症状を持つものもあります。

大腸菌O157は、「腸管出血性大腸菌」と呼ばれるもののなかでも、代表的な細菌。

家畜の糞便などのなかに時々見られ、糞便や糞便で汚染された水、食物を介して、人の口に入りO157感染症を起こします。

O157の感染力は、他の食中毒菌よりも強いと言われており、菌の数が100個程度というそれほど多くない状態でも病気を起こすとされています。

こうした点から、O157による感染症は、8月を過ぎた9月以降の気温が低くなってくる時期にも発生例があります。

O157の症状としては、下痢、腹痛、発熱などがあり、症状が進行して重篤な状態になると、「溶血性尿毒症症候群(HUS)」や「脳症」といった症状が現れます。

体内の赤血球が破壊されることにより、顔面が蒼白になり、全身がだるいといった倦怠感、尿の量が減る乏尿、むくみなどの浮腫が主な症状で、中枢神経に影響が出る場合には、頭痛、眠気などが引き起こされ、幻覚、けいれんといった兆候が現れた1~2時間後には昏睡してしまうこともあります。

歯切れの悪い前橋市の公式見解、事件の原因は?

「トングなどの販売状態に何らかの原因があるかもしれない」と、あくまで可能性の指摘に留まった前回の公式発表。

8月からのここまでの調査や報道では、「ポテトサラダ」「コールスローサラダ」「タケノコの炒め物」「エビもの炒め物(エビチリ)」「きんぴら」などが感染原因の1つとして挙がっている今回の食中毒問題ですが、最終的な感染原因はどこになるのでしょうか?

続報が待たれます。

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