2017年9月15日

日本人がイグノーベル賞受賞…雄と雌が逆転した昆虫トリカヘチャタテを発見:海外の反応

人を笑わせ、そして考えさせられるような発見に送られる「イグ・ノーベル賞」の受賞者が9月14日・アメリカ・ハーバード大学で発表され、日本人の研究チームが「イグ・ノーベル賞 生物学賞」に輝きました。

日本人イグ・ノーベル賞受賞するのは2017年の今回で11年連続。

北海道大准教授・吉澤和徳さんが率いる研究チームは、オスとメスが逆転した昆虫についての研究でイグ・ノーベル賞を受賞。

男らしさ、女らしさとは一体何か?という近年の社会問題にも見られるテーマを考えさせられるとして、研究が高く評価されました。

日本人がイグノーベル賞を受賞

イグノーベル賞受賞したのは、北海道大准教授・吉澤和徳さんが率いる研究チームによる「オスとメスが逆転した昆虫”トリカヘチャタテ”」についての研究。

実は、イグノーベル賞において日本人は常連の受賞者であるとも言われ、今回の吉澤和徳教授らの受賞で11年連続の日本人受賞者となります。

「人を笑わせ、考えさせられるような研究」に贈られるというイグ・ノーベル賞

受賞したチームでは、もちろん「大真面目に」「学術的に」研究を行っているのですが、社会的な時流や、その研究結果によって「なんだかおもしろくて笑ってしまう、でも、考えさせられる」といった内容が思いがけず高く評価される
こともあるようです。

今回の北海道大准教授・吉澤和徳氏らの研究チームが受賞しているのはイグノーベル賞の生物学部門。

メスが生殖器を持つという「オスとメスの逆転」が起きた昆虫・トリカヘチャタテについての研究でした。

オスとメスが逆転した昆虫「トリカヘチャタテ」

2010年以降に新種の昆虫として登録されている「トリカヘチャタテ」は、世界各地に5000種ほど存在するチャタテムシの1種。

なかでも、生殖器が逆転しているというトリカヘチャタテの仲間はブラジルの洞窟に生息する4種類のみと報じられ、交尾のための器官、いわゆる「生殖器」が雌雄「逆転」していることが特徴です。

「メスが持つ突起状の生殖器」が、「オスの穴状の生殖器」に挿入される、という「生物学の珍事態」を世に知らしめることとなった今回のイグノーベル賞。

吉澤和徳氏ら研究チームは、このトリカヘチャタテの生態を詳細に観察することで、40~70時間と長時間に渡って行われるトリカヘチャタテの交尾のなかで、実際にオスとメスの生殖器が「逆転」して機能していることを解明、2014年には研究論文としての発表を行っていました。

魚などの生物においては、環境や生殖時の条件などによって性別そのものが変化する「雌雄同体」という性質が知られていますが、オスとメスの生殖器そのものが、通常とは逆に機能するトリカヘチャタテのような生き物は、他には知られていません。

オスとメスの生殖器が逆転しているその理由について、吉澤和徳氏ら研究チームでは、交尾の際にオスからメスへと、精子と一緒に栄養分を渡すことに着目。

この栄養分を効率的に得るため、メスが進んで交尾をコントロールできるように進化したのではないか、と考えられています。

研究では、「交尾の際に、オスがメスへ精子と共に栄養分を渡す」という生殖方法によって、こうしたオスの栄養分をめぐってメス同士の競争が激化しているのではないかと分析しており、他の多くの生物と異なり「メスの交尾に対する積極性」がオスのそれを大きく上回ることにより、メスの生殖器が進化していき、オスの適応を促している、と結論しています。

この「トリカヘチャタテ」の名前は、平安時代の宮中を舞台に、「性別を取り換えて育てられた男女」を描いた古典文学「とりかへばや物語」にちなんで名付けられました。

北海道大准教授・吉澤和徳氏の研究チーム

オスとメスで、生殖器の形が逆転している昆虫「トリカヘチャタテ」。

世にも不思議な昆虫の研究で、イグノーベル賞を受賞した研究チームは、北海道大准教授・吉澤和徳氏、慶応大学の上村佳孝氏、両准教授らが結成した国際共同研究チームでもあります。

同研究チームは、ブラジルの洞窟で見つかったチャタテムシの一種を調べ、メスが突起状の生殖器をオスの穴状の生殖器に挿入することを突き止めています。

同研究チームは、調査のために今回のイグノーベル賞授賞式を欠席していますが、チャタテムシの調査地である高知県内の洞窟から撮影したビデオメッセージで喜びの声を報告。

われわれの発見で、ペニスを”男性器”と説明している世界中のあらゆる辞書が時代遅れになった。」といったコメントに、授賞式会場は笑いと拍手に包まれたと報じられています。

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