2017年2月15日

金正男暗殺の理由はなぜか?毒針の女スパイに殺害された北朝鮮のプリンス:海外の反応

2017年2月15日、北朝鮮・第2代最高指導者である金正日の長男、金正男(キム・ジョンナム)氏が何者かに殺害された、とのニュースが報道され話題となっています。

現政権を握る金正恩(キム・ジョンウン)氏による暗殺指令やその死因、なぜ暗殺されたのか?といった暗殺理由など、情報が錯綜しています。

2001年5月には、ディズニーランドを訪れる目的で偽造パスポートにより入国しようとして成田空港から強制送還されるなど、奇妙な行動が印象に残る金正男(キム・ジョンナム)氏。

今回の殺害の報道から、金正男氏が暗殺された理由はなぜか?その死因は?北朝鮮の後継者問題の背景と、金正男氏がどんな人物であったのかを読み解いていきます。

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金正男暗殺の理由はなぜなのか?

金正男はなぜ暗殺されたのか?

今になって金正男を暗殺する理由はなぜなのか?

報道メディアでも、Web上でも、その理由に関して様々な憶測が飛び交って話題となっています。

金正男暗殺の理由はなぜか?

その理由は、後継者として新たに発足している新政権の集権化を図る上で、懸念材料、または邪魔となった者を消すため粛清の一環であり、

自身の神格化、独裁政治の集権化において、自分自身以外に権力を持ちえる可能性のある人物を消すため

または、自分の命令に従わない奔放な金正男を暗殺した、というあたりなのではないでしょうか。

仕込み毒針で殺害された?金正男氏の死因は?

金正男氏の詳しい死因についてはいまだ明らかになっておらず、当局による司法解剖が進められています。

韓国メディアが報じる情報によれば、毒針、薬物、スプレーなど様々な情報が錯綜しています。

毒針を使って暗殺された

地下鉄サリン事件で有名な「オウム真理教」の坂本弁護士事件における暗殺チームは、塩化カリウムを注射して殺害する、という方法をとっていましたが、

こうした薬物の注射による殺害に近いものがこの毒針説です。

実際に、韓国の一部メディアなどを中心に、ボールペン型の注射器の写真を交えた報道も行われており、

「召集命令に応じなかった金正男に対して、かの女性工作員が、仕込み毒針によって暗殺を決行した」との見方が強まっています。

背後から近づいてきた女性に布を押し付けられた

金正恩氏が殺害された当時の状況を語る内容として報じられているもののうちの2つ目、

背後から突如として近づいてきた女性により、布のようなものを押し付けられたのちに倒れた、という説です。

「背後から女性が近づく」という情報からは、北朝鮮・金正恩氏が送り込んだといわれる女スパイの情報とも一致しており、

やはり、この女性工作員により、暗殺されたのではないか?という憶測が飛び交っています。

スプレーのようなものを吹きかけられた

3つ目が、スプレーのようなものを吹きかけられた、という説です。

同じく薬物による暗殺ですが、空気中に散布する毒ガス、または水滴や飛沫によって死にいたる薬物、として考えると、

暗殺者自身への影響を踏まえて、スプレーによる暗殺が可能なのかどうか、疑問が残ります。

いずれにしても、暗殺説と暗殺方法の情報が錯綜しており、現時点では明確な報道発表が行われていないのが現状です。

金一族の三代世襲による北朝鮮の独裁政治

「金正日自身は(世襲は)社会主義に合わないとして反対をしていたが、北朝鮮体制の安定のために必要だった(ので指名したのではないかと理解している)」

(東京新聞 2011年2月2日付 記事より – http://www.tokyo-np.co.jp/feature/Jong-nam/)

2011年の東京新聞によるインタビューに対して、「父である金正日は、世襲政治について否定的だった」と述べている金正男氏。

そもそも北朝鮮の独裁政権は、現政権から数えて三代前の金日成(キム・イルソン)までさかのぼります。

金日成(キム・イルソン)は、まだ日本軍が駐留していた1930年代の満州において、「抗日パルチザン活動」と呼ばれるレジスタンスを結成、日本軍を強襲する部隊指揮官として名声を得て、第二次世界大戦後はソビエト連邦の支持の下、北朝鮮に朝鮮民主主義人民共和国を建国した「北朝鮮の建国の父」として神格化されています。

軍人、活動家として、対日本軍との戦いを経て、指導者としての頭角を現し、「救国の英雄」「建国の父」となった北朝鮮初代最高指導者の金日成(キム・イルソン)。

北朝鮮を脱北した元朝鮮労働党書記は、フリージャーナリスト・山本皓一とのインタビューのなかで、金日成と金正日についての評価を下記のように語っています。

「金日成は自分の経歴を美化するなど俗物的な所はあったが、抗日パルチザン闘争などで苦労した経験があり人民の痛みもある程度わかっていた。」

「ともかくも国民を飢え死にはさせなかった。」

「現在の非民主主義的な体制を造り上げたのは金日成ではなく金正日である」

(引用・出典:久保田るり子『金正日を告発する 黄長燁が語る朝鮮半島の実相』162頁より抜粋)

「救国の、そして建国の父」である金日成の後継者として最高権力者となった息子・金正日氏は北朝鮮の独裁政治と自身の権力基盤の神格化を進め、現在の北朝鮮の状況を作り出した張本人としても語られています。

2011年12月17日、金正日が死去すると、かねてより後継者としてのエリートコースを歩んでいた金正日氏の三男・金正恩(キム・ジョンウン)氏が後継者として発表されています。

北朝鮮最高指導者の慣習?前指導者の役職は「永久欠番」に

初代指導者である金日成(キム・イルソン)が死去した際に、後継者となった金正日は、彼の役職でもあり、最高権力者の座である「国家主席」の職を「国家主席は、金日成が永久に就くべき職である」として空席としました。

「金一族の神格化」により世襲による独裁政権の建前を維持してきた北朝鮮では、同じく第2代最高権力者となった金正日の死後も、金正日の死によって空席となった朝鮮労働党の最高職である「総書記」と国家の最高職である「国防委員長」の職について、「両職とも金正日が永久に就くべき地位である」として、「国防委員会第一委員長」という新たな職に就任しています。

現在の北朝鮮最高権力者・金正恩氏は、後継就任の初期には「最高司令官」「将軍」「革命武力の最高指導者」「不世出の先軍統帥者」などと呼ばれ、初代・金日成をなぞる「軍事的な指導者」「軍からの出自を持つ指導者」という側面が強調されています。

初期に就任した「国防委員会第一委員長」から、2017年現在では、「朝鮮労働党・初代委員長」という役職に移り変わっています。

北朝鮮における政治的な立ち位置としては、「軍からの出自を持つ」「軍事的指導者」であり、そして(現在では)「党・軍・人民の最高指導者」というスタンスをとっており、まるで、初代・金日成の再現と言わんばかり。

三代での世襲のなかで、初代・第二代の、虎の威にも似た栄光を借りると共に、三代目である自身の神格化を推し進めていることが伺えます。

金正男氏の実像…後継者争いから脱落した長男

金正恩から出ていたとも言われる暗殺指令。

果たして金正男氏は、北朝鮮最高権力者の後継者の資格を持つうちの一人として、どのような立場にあったのでしょうか?

東京ディズニーランドへの訪日、親日家のような振る舞い

金正男氏と聞いて、真っ先に思い浮かぶのが2001年5月の訪日問題。

当時、「東京ディズニーランドに行きたかった」という目的で、成田空港にて入国審査を受けるも、偽造パスポートであることが発覚、本国へ強制送還された事件です。

ドミニカ共和国の偽造パスポートを持った中国人名義の男。

妻子らしき男女と一緒に日本へ入国しようとしたところを拘束し、よくよく調べてみると、北朝鮮国家主席・金正日の長男であったことが判明。

当時は日本政府も公式には認めていませんでしたが、後に東京新聞をはじめとした日本国内メディアに対して気さくにインタビューに応じるなど、「バカ殿のお忍びご乱心」とも取れるような奇妙な行動が目立ちました。

奔放な振る舞いは後継者問題を避ける狙いもあった?

「政治には興味が無い。金正恩との関係は自分の弟であるという関係である。後継者については報道で知り、後継は父が決めたことだからそれに従う。マカオは旅行で滞在し亡命ではない」

(引用・出典:テレビ朝日「報道ステーション」インタビューより)

2009年6月9日には、テレビ朝日の「報道ステーション」の単独インタビューに応じており、「自身は後継者問題や政治に関心が無い」というスタンスを表明しています。

古今東西の様々な歴史のなかでは、暗殺や粛清をさけるために「バカ殿」を装うことで警戒を解く、という例を見ることができますが、

こうした「ディズニーランド訪問」「資本主義かぶれ」「国外マカオでの暮らし」などの奔放な振る舞いの数々は、

いずれ自分自身に災いとなって降りかかるであろう後継者問題に対して「無関心と暗愚」をアピールすることで無用な争いを避けていたのかもしれません。

なぜ今になって金正男は暗殺なのか?後継者確定の後に続いた粛清と集権化

このように、後継者争いから自ら望んで脱落したようにも取れる金正男氏ですが、なぜ今になって暗殺されてしまったのでしょうか?

そこには、最高権力者の座を受け継いだ金正恩による「新たな三代目による未完成の独裁」と、「時を経ることで権力を奪われてしまう恐れ」がありました。

韓国からやってきた母親・成恵琳(リン・ヘリム)の子

そもそも金正男氏は、前権力者・金正日の長男。

「三男である正恩氏と、長男の正男氏では、後継者として優位なのは長男なのではないか?」という疑問を抱く方もいるかもしれません。

これには、金正男氏の出生と出自にその理由があります。

金正男氏の母親は、韓国出身のスターであった成恵琳(リン・ヘリム)、愛人にも近い関係で金正日に囲われで設けた最初の子供が金正男氏です。

「南(韓国)」の子である金正男は「北」の後継者にはふさわしくない

「韓国の血を引く子」

「南の血筋」

軍事境界線である「38度線」を挟んでにらみ合う韓国と北朝鮮。

同じ朝鮮半島の南部を実効支配している朝鮮民族の国家・大韓民国は東西冷戦下で誕生した分断国家であり、北朝鮮の敵国でもあります。

韓国と北朝鮮の両者は、お互いに自国憲法の中で「朝鮮半島全域が自身の国土である」としており、国際法の上では現在も戦争状態にあります。

北朝鮮の独裁政治において、国家の建前そのものをくつがえしてしまう「敵国の血を引く後継者」というのは、北朝鮮の正統後継者としてはふさわしくない、という見方が一般的でした。

時が経てば、後継者の可能性もあった?

しかしながら、「金正男氏の母親が韓国人である」という認識も、時代を経ていくごとに薄まってきているとも言われており、

ともすれば、時を経て、「韓国人の血を引く長男」という見方が弱まることにより、最高権力者として表舞台に立つ可能性も秘めていたのが金正男氏です。

後継者として指名され、いち早く自身の権力の集権化と神格化を図らなければならない金正恩氏にとっては、

こうした「将来的に自身を脅かす」または「自身の後継問題」において、「懸念材料でしかない男」を消してしまいたい、と考えても不思議ではありません。

金正恩の後継確定から相次いだ粛清の嵐

金正恩氏が後継者となってからというもの、相次ぐ政治的粛清のニュースが報じられています。

2013年12月には、金正恩体制における実質的なナンバー2とも言われていた張成沢(チャン・ソンテク)が処刑されています。

金正日時代より、側近として北朝鮮の中枢にいた古参であり、金正恩体制においても後見人のような立場となっていた重臣の粛清。

その罪状は「クーデターを企てた疑い」とされており、銃殺刑に処された後、さらに火炎放射器で遺体を焼くという残酷な処刑が報じられました。

粛清後には過去に報道・発表された写真や映像、資料などからも、その存在を文字通り「消されて」いるという徹底ぶりには、金正恩の「地球上から痕跡をなくせ」という指示があったと言われています。

韓国メディア「中央日報」では、カリスマ性があり、部下への気配りから人望も集めていた政権ナンバー2の張が、新たに発足したばかりの独裁において障害となりうると判断した可能性を示唆しています。

同誌の取材によると、「現在でも張成沢を慕っていた者は様々な組織に残っており、今後は彼らに対する粛清が続くだろう」とされており、優秀すぎるナンバー2を危険視し、自分にとっての「目の上のたんこぶ」となる張が邪魔になったのではないか?という見方が強まっています。

やはり権力絡みの暗殺か?金正男氏殺害の真相

「北はナンバー2を認めない。北で首領はすべての体制と法の上にある神だ。第1人者以上の意味を持つ。最高指導者を神と同じ存在とする首領化の過程で挑戦すればどうなるかという見本が張成沢の事件だ。そのような意味で張成沢事件はナンバー2を引き下ろした粛清ではなく、一般官僚が前に出ようとして除去された処罰の概念と見るべきだ」

(引用・出典:中央日報 2014年02月11日付 記事より – http://japanese.joins.com/article/643/181643.html?servcode=&sectcode=)

「将来の懸念材料を消す」

「自身の命令に応じないものを潰す」

「自らの権力を脅かすものは許さない」

こうした背景から見ても、今回の金正男氏暗殺は、独裁集権化を推し進めなければならない金正恩による独裁権力絡みの策謀であるのかもしれません。

2017年2月15日現在では、その死因や殺害方法、北朝鮮からの公式発表など詳細な情報が明らかになっていません。

続報が待たれます。

Twitterの反応

海外の反応

Null_Mage「計画された殺人のようだね、誰かに毒物を渡してそれを命じることはできるわけだ。」

Khan Majeed「どこの蛮族の政権がナンだって?おお神よ!」

J. Scott Burgeson「なるほど、対空砲や火炎放射器よりも毒針のほうがよっぽど外交的なわけか。」

GiantPanda「くそったれ、この狂った男とその一族が大嫌いだよ」

Brandt McCall「キム・ジョンナムは自分の父親から異様なほどの距離を置いて暮らしきた」

Brandt McCall「最近では彼の兄弟・・・変質的で精神的に病んだ殺人者に対しても同じようにしていた」

Brandt McCall「”殺人者”とは彼の兄弟その人だ。彼はキム・ジョンナムが自身にとっての脅威であると信じていた。」

Karen p「キム・ジョンウンはすぐにでも精神病棟にぶち込むべき患者だ」

Karen p「こいつの精神はまるで子供のようで、それゆえに邪悪だ。」

William Matthews「こいつが僕の兄弟を傷つけたら絶対に許せないね!・・・おっと、僕に兄弟はいなかったよ。」

Bilbo Swaggins「キム・ジョンウンがアメリカを再び偉大にするよ」

( 引用・出典:Youtubeコメント欄から翻訳 – https://www.youtube.com )

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